市販のノートでもお薬手帳として利用可能

薬局などで受け取る「お薬手帳」は、必ずしも薬局から配布されたものである必要はありません。

日本薬剤師会によると、市販のノートをお薬手帳として使用しても問題ないとされています。

どこで発行されたものでもよく、自分で用意したノートでも服薬記録として十分に活用できます。

ノートを活用する人は少数だが健康意識が高い

記者は子どもの通院をきっかけにお薬手帳の重要性を実感し、ページ数の多い市販ノートの活用に関心を持ちました。

日本薬剤師会常務理事の豊見敦さんによると、実際にノートを使用する人は珍しいものの、服薬後の体調や気づいた点を細かく記録するなど、健康意識の高い人に多い傾向があるといいます。

ノート使用時のポイント

市販のノートを使用する場合でも、氏名を記入し、「副作用歴」や「アレルギー歴」を記載するスペースを冒頭に設けることが推奨されています。薬剤師が必要な情報を書き込むことで、安全な服薬につながります。

また、ページの紛失を防ぐため、ルーズリーフではなく綴じられた形式のノートが望ましいとされています。サイズに決まりはありませんが、記録を多く残せる大きめのものが便利です。

詳細な記録が安全な服薬を支える

お薬手帳の本来の目的は、服薬履歴を記録し、薬の飲み合わせや副作用を確認することです。

血圧や検査値、受診時に医師へ聞きたいことなどをメモしておくと、薬剤師がより安全に薬を提供するための重要な情報となります。情報が多いほど、安心して調剤が行えるとされています。

お薬手帳の普及の背景

お薬手帳は、1993年に帯状疱疹治療薬「ソリブジン」と抗がん剤の併用による薬害事件をきっかけに普及が進みました。

さらに、1995年の阪神・淡路大震災では、服用中の薬が分からない被災者が多かったことから、その重要性が全国的に認識されました。

マイナ保険証や電子版との併用も重要

近年、「マイナ保険証があればお薬手帳は不要ではないか」という声もありますが、確認できる薬の情報は主に過去のものであり、リアルタイムではありません。そのため、引き続きお薬手帳の併用が推奨されています。

また、災害時への備えとして、スマートフォンで管理できる電子版お薬手帳の利用も広がっています。日本薬剤師会の「eお薬手帳3.0」も多くの人に活用されています。

自分に合った方法で活用を

お薬手帳は、自分の治療歴や服薬情報を把握し、医療従事者と共有するための重要なツールです。

紙の手帳、市販のノート、電子版アプリなど、自分のライフスタイルに合った方法で活用することが、より安全で安心な医療につながります。

notAlone Fukuokaからのコメント

お薬手帳については、HIV陽性者にとって悩ましい問題のひとつです。

拠点病院だけ受診している場合は問題ないのですが、他の疾患や怪我などで拠点病院以外の病院や歯科の受診が必要になった場合、飲んでいる薬でHIV感染がバレて診療拒否されてしまうかもしれないという不安が付きまといます。

とは言っても、自分が飲んでいる薬と別の病院で処方された薬に、飲み合わせの問題がないかということも不安材料になっています。

そのため、拠点病院で使うお薬手帳と、他の病院で使うお薬手帳と、複数使い分けている陽性者の方も少なくありません。

保険証代わりのマイナンバーカードもそうなんですが、1冊のお薬手帳を安心して使えるようにならないと、いけないんですけどね…

灰来人

掲載サイト名
withnews by 朝日新聞
記事タイトル
お薬手帳、市販ノートでもいい?…薬剤師会の回答は ノートを持参する人の特徴
発表年月日
2026年3月26日
著者
朝日新聞withnews編集部・金澤ひかり
朝日新聞